【東京大学 過去問解説】 国語(現代文)2020年度(令和3年) 第一問

東京大学 2020年度(令和3年)国語 第一問(現代文)の解答と解説を掲載しています。

注意

ここに書かれていることは、あくまで一個人の見解です。

参考程度にご覧ください。

解答例

設問(一)
医療機関や家族から排除された見知らぬHIV感染者同士が作り上げた、相互にケアを行う自助的かつ親密な社会性ということ。(58字)

設問(二)
社会を守るために人びとを管理し統治する論理に代わり、苦しむ人びとを集合的に支え共に生きるという共同的で公共的なケアの論理が生まれたということ。(71字)

設問(三)
選択の論理の下では、患者は顧客として主体的に商品やサービスを選択するが、この選択は個人として孤独に自己責任で行わなければならないということ。(70字)

設問(四)
ケアの論理とは、人びとが相互にケアし共に生きるという共同的で公共的な論理である。この論理では身体の世話をし調えることに主眼をおいて状況を判断し、さらに人間だけでなく身体にかかわるすべてのものを影響源とみなし調整する考え方に至るということ。(119字)

設問(五)
a 診察 b 諦め c 羅針

問題を解く手順

1_過去問_現代文_解く手順.001

以下の手順で問題を解くことをオススメします。

  1. 本文を2~3回、丁寧に読む。
  2. 全体の構成を把握する。
    → 各設問の意図、つまりどの意味段落の理解度が問われているか分かる。
  3. 各設問で問われている意味段落の内容を整理する。
  4. 設問・傍線部を分析する。
  5. 必要なポイントを整理し、解答を作成する。

手順❶ 本文を2~3回、丁寧に読む

まずは本文を2~3回丁寧に読み、一文一文で言っていることを理解します。

手順❷ 全体の構成を把握する

次に、文章全体の構成を把握します。

今回の出題文の構成は、以下のようになっています。

第1~2段落:導入部分

第3~4段落:排除された人々の例1 HIV感染者

第5~7段落:排除された人々の例2 精神障害者

第8~11段落:段落3~7の二例から見出せる「ケアの論理」について(段落9は「ケアの論理」と対比される「選択の論理」について)

主題者は、設問を通し各意味段落の内容を理解できているか問いかけています。
したがって、構成を把握できれば、出題者がどの部分の理解度を見たいのか分かります。
原則、傍線部が位置している意味段落の理解度が問われています。

各設問の意図

設問(一):第3~4段落(排除された人々の例1HIV感染者)が理解できているか。

設問(二):第5~7段落(排除された人々の例2精神障害者)が理解できているか。

設問(三):第9段落(選択の論理)が理解できているか。

設問(四):本文全体と段落8~11段落(ケアの論理)が理解できているか。

手順❸ 各設問で問われている意味段落の内容を整理する
手順❹ 設問・傍線部を分析する
手順❺ 必要なポイントを整理し、解答を作成する

設問ごとに手順❸〜❺を行います。

設問(一)

手順❸
第3~4段落の内容を整理します。

      1. タイでHIVの爆発的な感染が発生した。
      2. 感染者が差別・排除された。
      3. 感染者・患者たちが自助グループを形成した。
      4. そのグループは、相互的なケアにより健康を保ち、独自の知や実践を生み出していった。
      5. 非感染者も参加するようになり「ケアのコミュニティ」が形作られた。(傍線部)
      6. これは、個人化と対極にある生の社会性の出現である。

手順❹
設問・傍線部を分析します。
「どういうことか」という問に対しては、傍線部の内容を分解し、意味段落の内容で説明することで解答します。
傍線部前半「ケアをする者とされる者という一元的な関係とも家族とも異なったかたち」について、異なるのであればどういったかたちなのか、説明しなければなりません。
また、傍線部後半「ケアをとおした親密性」とはどういうことか、説明が必要です。

手順❺
必要なポイントを整理し、解答を作成します。
まず、傍線部前半「ケアをする者とされる者という一元的な関係とも家族とも異なったかたち」について、説明します。
先ほど整理した項目2~4と6を基本骨格とします。

      1. タイでHIVの爆発的な感染が発生した。
      2. 感染者が差別・排除された。
      3. 感染者・患者たちが自助グループを形成した。
      4. そのグループは、相互的なケアにより健康を保ち、独自の知や実践を生み出していった。
      5. 非感染者も参加するようになり「ケアのコミュニティ」が形作られた。(傍線部)
      6. これは、個人化と対極にある生の社会性の出現である。

まとめると以下のようになります。

社会から排除されたHIV感染者同士が、相互にケアを行う自助的な社会性を作り上げた。

傍線部に「一元的な関係とも家族とも異なったかたち」とあるため、この対比を解答でも強調します。
まず「社会」を「医療機関や家族」に変えます。
さらに、「一元的」と対比されている「相互的」、「家族」と対比されている「見知らぬ間柄」を解答に含めます(「相互的」は既に入っていますが)。

医療機関や家族から排除された見知らぬHIV感染者同士が、相互にケアを行う自助的な社会性を作り上げた。

次に、傍線部後半「ケアをとおした親密性」とはどういうことか、説明が必要です。
しかし、これ以上説明を付け足す余地がありません。
ここは素直に「ケアを行う親密な社会性」とします。

医療機関や家族から排除された見知らぬHIV感染者同士が、相互にケアを行う自助的かつ親密な社会性を作り上げた。

ポイントは以下の3つです。

  • 社会から排除されたHIV感染者同士が相互にケアを行う自助グループを作った。(意味段落をまとめた基本骨格)
  • 医療機関や家族と異なり、見知らぬ者同士が相互にケアを行う。(傍線部前半の説明)
  • 親密なケアを行う。(傍線部後半の説明)

最後に、この設問は「『親密性』とはどういうことか」、という問になっているため、「親密な社会性ということ」の形で答えるようにします。

【解答例】

医療機関や家族から排除された見知らぬHIV感染者同士が作り上げた、相互にケアを行う自助的かつ親密な社会性ということ。(58字)

設問(二)

手順❸
第5~7段落の内容を整理します。

      1. かつてイタリアでは、精神障害者は社会的に危険であるとみなされ、社会を守るために隔離・収容されていた。
      2. しかし改革により地域での精神保健サービスが作られた。
      3. これは苦しみを抱える人々を集合的に支えようとするものである。
      4. これは論理の転換である。(傍線部)
      5. 管理と統治の論理とは異なる論理の出現を意味している。
      6. これは、私的自由の論理とも異なる共同的で公共的な論理である。
      7. (精神保健センターとひきこもりの例を用いて、自由の論理と共同的・公共的な論理の違いを説明し、)こうした事例は、統治の論理を最小化し生の道程を共に歩むというケアの論理を最大化しようとする。

前半(項目1~5)では、イタリアの事例を用いて論理の転換を示しています。
後半(項目6~7)では、転換した後の論理について説明を加えています。

手順❹
設問・傍線部を分析します。
「どういうことか」という問に対しては、傍線部の内容を分解し、意味段落の内容で説明することで解答します。
つまり「『社会』を中心におく論理」、「『人間』を中心におく論理」をそれぞれ説明する問題です。

手順❺
解答に必要なポイントを整理し、解答を作成します。

「『社会』を中心におく論理」は、以下の項目1と5の記述に該当します。

      1. かつてイタリアでは、精神障害者は社会的に危険であるとみなされ、社会を守るために隔離・収容されていた。
      2. しかし改革により地域での精神保健サービスが作られた。
      3. これは苦しみを抱える人々を集合的に支えようとするものである。
      4. これは論理の転換である。(傍線部)
      5. 管理と統治の論理とは異なる論理の出現を意味している。
      6. これは、私的自由の論理とも異なる共同的で公共的な論理である。
      7. (精神保健センターとひきこもりの例を用いて、自由の論理と共同的・公共的な論理の違いを説明し、)こうした事例は、統治の論理を最小化し生の道程を共に歩むというケアの論理を最大化しようとする。

項目1の部分(第5段落)を参照し「『社会』を中心におく」を言い換えると、「社会を守る」となります。
また、この論理は第6・7段落では「管理と統治の論理」と呼ばれています。
よって、「『社会』を中心におく論理」を説明すると、「社会を守るために人びとを管理し統治する論理」となります。

次の「『人間』を中心におく論理」については、以下の項目2・3・6・7に該当する部分で説明されています。

      1. かつてイタリアでは、精神障害者は社会的に危険であるとみなされ隔離・収容されていた。
      2. しかし改革により地域での精神保健サービスが作られた。
      3. これは苦しみを抱える人々を集合的に支えようとするものである。
      4. これは論理の転換である。(傍線部)
      5. 管理と統治の論理とは異なる論理の出現を意味している。
      6. これは、私的自由の論理とも異なる共同的で公共的な論理である。
      7. (精神保健センターとひきこもりの例を用いて、自由の論理と共同的・公共的な論理の違いを説明し、)こうした事例は、統治の論理を最小化し生の道程を共に歩むというケアの論理を最大化しようとする。

一言で言えば、項目6の「共同的で公共的な論理」です。
さらにそれがどういったものか説明を加えると、「苦しむ人びとを集合的に支え共に生きるという共同的で公共的なケアの論理」となります。

【解答例】
社会を守るために人びとを管理し統治する論理に代わり、苦しむ人びとを集合的に支え共に生きるという共同的で公共的なケアの論理が生まれたということ。(71字)

設問(三)

手順❸
第8~11段落では「ケアの論理」について説明されています。
その中の第9段落で、「ケアの論理」と対比される「選択の論理」について説明されています。
設問(三)は、この第9段落の理解度を問う問題です。
第9段落の内容を整理します。

前半は選択の論理についての説明です。

  1. 選択の論理の下では、患者は顧客となる。
  2. この顧客は、みずからの欲望に従い主体的に商品やサービスを選択する。
  3. 専門職の役割は情報を提供することである。

後半は選択の論理のデメリットの説明です。

  1. 顧客は個人であり、孤独に自分だけの責任で選択を強いられる。
  2. 自分が欲しているものは、それほど自明ではない。

手順❹
設問・傍線部を分析します。
「どういうことか」という問に対しては、傍線部の内容を分解し、意味段落の内容で説明することで解答します。
「選択の論理」とはどういうことか、また「個人主義にもとづく」とはどういうことか、それぞれ説明が求められています。

手順❺
解答に必要なポイントを整理し、解答を作成します。
まず「選択の論理」とはどういうことか、これは第9段落の前半で説明されています。

  1. 選択の論理の下では、患者は顧客となる。
  2. この顧客は、みずからの欲望にしたがい主体的に商品やサービスを選択する。
  3. 専門職の役割は情報を提供することである。

まとめると、以下のようになります。

選択の論理の下では、専門職から提供された情報を元に、患者は顧客としてみずからの欲望にしたがい主体的に商品やサービスを選択する。

次に「個人主義にもとづく」とはどういうことか、これは第9段落の後半で説明されています。

  1. 顧客は個人であり、孤独に自分だけの責任で選択を強いられる。
  2. 自分が欲しているものは、それほど自明ではない。

まとめると、以下のようになります。

この選択は個人として孤独に自己責任で行わなければならず、また自分の欲望もそれほど自明ではない。

前半と後半をつなぎ合わせると、以下のようになります。

選択の論理の下では、専門職から提供された情報を元に、患者は顧客としてみずからの欲望にしたがい主体的に商品やサービスを選択するが、この選択は個人として孤独に自己責任で行わなければならず、また自分の欲望もそれほど自明ではないということ。

しかし、これでは字数が多すぎる上に、修飾語が長くて読みづらくなっています。
そこで、重要度の低い情報を削ります。

選択の論理の下では、専門職から提供された情報を元に、患者は顧客としてみずからの欲望にしたがい主体的に商品やサービスを選択するが、この選択は個人として孤独に自己責任で行わなければならず、また自分の欲望もそれほど自明ではないということ。

【解答例】
選択の論理の下では、患者は顧客として主体的に商品やサービスを選択するが、この選択は個人として孤独に自己責任で行わなければならないということ。(70字)

設問(四)

設問(四)では、全体の趣旨と傍線部エの説明が求められています。
まず傍線部エは置いておき、本文全体の趣旨について考えます。

手順❸
全体の主題と論旨を整理します。

主題

ケアの論理とはどういうものか

 

第1~2段落:導入
近代化に伴い市民権が拡張されたが、そこから排除される人々も常にいた。

 

第3~4段落:福祉国家から排除された人々の例1 HIV感染者
社会から排除された人同士で相互にケアを行う自助グループが作られた。

 

第5~7段落:福祉国家から排除された人々の例2 精神障害者
社会を守るという統治の論理とは異なる、人びとを支えて共に生きるという共同的で公共的な論理が出現した。

 

第8~11段落:段落3~7の二例から見出せる「ケアの論理」の特徴
(段落9は「ケアの論理」と対比される「選択の論理」について)
ケアの論理では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおく。さらに、身体の養生にかかわるすべてのものを調整しつづける。

手順❹
設問・傍線部を分析します。
全体の趣旨の要約が求められています。

手順❺
解答に必要なポイントを整理し、解答を作成します。
第10・11段落は傍線部エの説明として解答しますので、ここでは除外します。
ケアの論理とは何かの説明と、統治の論理・選択の論理との対比を解答に含めます。

ケアの論理とは、

相互に親密なケアを行う(第3~4段落)

生の道程を共に歩むという共同的で公共的な論理であり、(第5~7段落)

統治の論理や選択の論理とは異なる。(第3~7段落、第9段落)

次に、傍線部エについて考えます。

手順❸
傍線部エでは第8~11段落、特に第10~11段落の理解度が問われています。
この部分の内容を整理します。

第10段落の要約は以下の通りです。

  1. ケアの論理の出発点は、人が何を必要としているかである。
  2. それを知るためには、状況を理解しなければならない。
  3. 重要なのは、状況を適切に判断することである。

→ 手順の流れを整理すると、①状況を理解することで、②人が何を必要としているか明らかになり、③適切に判断できる、となります。

第11段落の要約は以下の通りです。

  1. 状況の理解・判断のためには、感覚や情動が大切である。
  2. それゆえ、身体の世話をし調えることに主眼を置く。
  3. さらに、かかわるすべてのものについて調整しつづける。
  4. つまりケアとは、かかわるすべてから成る共同的で協働的な作業である。

これをまとめると、「理解と判断のために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼を置く。さらに、かかわるすべてのものについて調整しつづける。」となります。

よって、第10・11段落の要約は以下のようになります。

ケアの論理では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおく。さらに、身体の養生にかかわるすべてのものを調整しつづける。

手順❹
設問・傍線部を分析します。
「どういうことか」という問に対しては、傍線部の内容を分解し、意味段落の内容で説明することで解答します。
「人間だけを行為主体と見る世界像」とはどういうことか、「関係するあらゆるものに行為の力能を見出す生きた世界像につながっている」とはどういうことか、それぞれ説明が必要です。

手順❺
解答に必要なポイントを整理し、解答を作成します。
まず、第10・11段落の要約を基本骨格とします。

ケアの論理では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおく。さらに、身体の養生にかかわるすべてのものを調整しつづける。

次に、傍線部の説明を考えます。
「人間だけを行為主体と見る世界像」とはどういうことか、説明が必要ですが、あまり説明を加える余地がありません。
強いて言えば前文の「『ケアをする人』と『ケアをされる人』の二者間の行為」が該当しますが、ここは「人間だけが身体に影響を及ぼすという考え方」と言い換えれば十分ではないかと思います。

傍線部後半の「関係するあらゆるものに行為の力能を見出す生きた世界像」とはどういうことか、これは項目6・7に該当します。

  1. 状況の理解・判断のためには、感覚や情動が大切である。
  2. それゆえ、身体の世話をし調えることに主眼を置く。
  3. さらに、かかわるすべてのものについて調整しつづける
  4. つまりケアとは、かかわるすべてから成る共同的で協働的な作業である。

また、「行為の力能」が難しい表現であるため、平易な言葉への言い換えが必要と考えます。
行為を行う能力、つまり「身体への影響力」とします。
まとめると、「かかわるすべてのものを身体への影響源とみなす」となります。

さらに、「世界像につながっている」の言い換えが必要です。
ここでは「考え方に至る」とします。

第10・11段落の要約に、これらの要素を組み込みます。

ケアの論理では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおく。さらに、人間だけでなく身体の養生にかかわるすべてのものを影響源とみなし調整しつづけるという考え方に至る

全体の趣旨と傍線部エの説明は以下の通りです。

【全体の趣旨】
ケアの論理とは、相互に親密なケアを行い共に生きるという共同的で公共的な論理であり、統治の論理や選択の論理とは異なる。

 

【傍線部エの説明】
ケアの論理の下では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおく。さらに、人間だけでなく身体の養生にかかわるすべてのものを影響源とみなし調整しつづけるという考え方に至る。

これらを合わせ、設問に答える形に整えます。

ケアの論理とは、統治の論理や選択の論理とは異なり、人びとが相互にケアし共に生きるという共同的で公共的な論理である。この論理の下では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおく。さらに人間だけでなく身体の養生にかかわるすべてのものを影響源とみなし調整しつづける考え方に至るということ。(164字)

しかし、これでは120字を超えてしまうため、重要度が低い部分を削ります。

ケアの論理とは、統治の論理や選択の論理とは異なり、人びとが相互にケアし共に生きるという共同的で公共的な論理である。この論理の下では、状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、身体の世話をし調えることに主眼をおいて状況を判断し、さらに人間だけでなく身体の養生にかかわるすべてのものを影響源とみなし調整しつづけるする考え方に至るということ。(119字)

「統治の論理や選択の論理とは異なり、」は主題であるケアの論理との比較対象であるため、重要度が低いと判断しました。
また、「状況を適切に理解し判断するために感覚や情動を重視し、」について、この部分の論旨を整理すると、

  • 状況を適切に判断し理解するためには、感覚や情動が大切である
  • 感覚や情動を重視すると、身体の世話をし調えることに主眼をおくことになる

となります。
つまり「感覚や情動を重視する → 身体の世話をし調えることに主眼をおいて状況を適切に判断し理解する」という流れになっています。
したがって、「感覚や情動を重視する」(原因)よりも「身体の世話をし調えることに主眼をおいて状況を適切に判断し理解する」(結果)の方が重要であると判断し、「感覚や情動を重視し、」を省略しました。また、「状況を判断する」を「身体の世話をし調えることに主眼をおく」の後に移動しました。
それでも字数が多いため、「養生」を削除し、「調整しつづける」を「調整する」に変更しました。

【解答例】

ケアの論理とは、人びとが相互にケアし共に生きるという共同的で公共的な論理である。この論理では身体の世話をし調えることに主眼をおいて状況を判断し、さらに人間だけでなく身体にかかわるすべてのものを影響源とみなし調整する考え方に至るということ。(119字)