君の膵臓をたべたい|通り魔はなぜ桜良を襲ったのか・犯人は元カレ?・伏線シーン

住野よるさんの小説「君の膵臓をたべたい」では、ヒロインの山内桜良が通り魔に襲われ、命を落とします。

いつものカフェで桜良を待っている主人公が、「私を褒めなさい」とメールでいう桜良に対し「君の膵臓がたべたい」と返信します。
しかし、桜良は待ち合わせ場所への途中で通り魔に遭い、殺されてしまいます。

この記事では、この通り魔の犯人は誰なのか動機は何か、また、このようなストーリーにした作者の意図を解説します。

 

通り魔の犯人・動機

結論から言うと、通り魔の犯人・動機などは不明です。
原作小説でも、犯人が誰なのか、なぜ犯行に及んだのか、何も書かれていません

物語の途中で桜良の元カレ・隆弘と揉めるシーンがあったため、隆弘が犯人なのではないかという意見もありますが、確証はなく、推測の域を出ません。

また、桜良が主人公・志賀春樹に「死ぬまで仲良くしてね」とメールした翌日、隣の県で通り魔事件が発生しました。
これが伏線になっています。

つまり桜良と特に関係ある人物ではなく、本当に唐突に現れた通り魔です。
桜良は運悪くそこに居合わせ、通り魔の犠牲になってしまった、ということです。

作者のメッセージ

そもそも桜良は病気で余命あとわずかであったのに、通り魔にあって命を落としてしまいました。
作者の住野よるさんは、なぜこのようなストーリーにしたのでしょうか。

主人公の「僕」(志賀春樹)は、桜良の死を知った後、次のように言っています。

「甘えていた。この期に及んで僕はまだ甘えていた。残り少ない彼女の命だけは世界が甘やかしてくれると信じきっていたんだ。残り時間の少ない彼女には明日があるものだと、彼女の命は残り少ないのだからそこまでは必ず生きられると当然のように思っていた。世界は差別をしないんだ」

このセリフから、「人間はいつ死ぬかわからない、だから今を大切に生きなくてはいけない」という作者のメッセージが読み取れます。

作者は、この作品を通じて今の大切さを伝えたかったのではないでしょうか。

 

まとめ

「君の膵臓をたべたい」通り魔の犯人・動機・作者のメッセージを解説しました。
個人的には、桜良の救われない境遇に切ないものを感じました。

原作や実写版映画、マンガを見ると、また違う発見があるかもしれません
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