【共通テスト|解答・解説】 2022年度 数学ⅠA 第4問

共通テスト 2022年度 数学ⅠA 第4問の解き方を解説します。

手順1:問題文を通して読む

問題を解く前に、問題文を通して読みましょう。

手順2:文脈を理解し、解き方を予想する

問題文の流れを理解し、解き方を予想しましょう。

【問題文】
(1)
xが正の整数で最小になるのは
x=(ア),y=(イウ)
である。
また、xが2桁の正の整数で最小になるのは
x=(エオ),y=(カキク)
である。

【予想】
設問(ア)〜(ウ):ヒントにしたがう。
設問(エ)〜(ク):解を元に式を変形する。

【問題文】
(2)

まず
\(625^2=5^\text{(ケ)}\)であり、また、\(m=(イウ)\)とすると

\(625^2=2^\text{(ケ)}m^2+2^\text{(コ)}m+1\)
である。

【予想】
設問(ケ):因数分解するだけ。
設問(コ):式①がヒントになっている。

【問題文】
(3)
\(5^5x-625^2\)は\(5^5\cdot2^5\)の倍数である。
このことから、②の整数解のうち、xが3桁の正の整数で最小になるのは
\(x=\text{(サシス)},\,y=\text{(セソタチツ)}\)
であることがわかる。

【予想】
「\(5^5x-625^2\)は\(5^5\cdot2^5\)の倍数である。」 → 式にしてみる。

【問題文】
(4)
xが正の整数で最小になるのは
x=(テト),y=(ナニヌネノ)
である。

【予想】
(1)〜(3)を参考にする。

 

手順3:問題を解く

【問題文】
(1)
xが正の整数で最小になるのは
x=(ア),y=(イウ)
である。
また、xが2桁の正の整数で最小になるのは
x=(エオ),y=(カキク)
である。

式①の整数解のうち、正の整数で最小になるxを求める。
\(5^4=625\)を\(2^4\)で割ったときの余りは1に等しい。ゆえに、x=1は式①を満たし、かつ正の整数で最小である。
したがって、求める解は\(\displaystyle x=1, y=\frac{5^4-1}{2^4}=\frac{624}{16}=39\) ••• ア、イウ

ポイント

誘導にしたがう。

次に、2桁の正の整数で最小のxを求める。
一つの解が得られているため、これを用いて解く。

\(5^4x-2^4y=1\) ••• ①
\(5^4-2^4\times39=1\) ••• ④

①-④より
\(5^4(x-1)-2^4(y-39)=0\) すなわち \(5^4(x-1)=2^4(y-39)\)
\(5^4\)と\(2^4\)は互いに素であるから
\(x-1=2^4k, y-39=5^4k \)(kは整数)
とおける。
よって、xが2桁の正の整数で最小になるのは、\(k=1\)のときで、このとき
\(x=2^4\times1+1=17, y=5^4\times1+39=664\) •••エオ、カキク

ポイント

解の一つを用いて不定方程式を解く。

【問題文】
(2)

まず
\(625^2=5^\text{(ケ)}\)であり、また、\(m=(イウ)\)とすると

\(625^2=2^\text{(ケ)}m^2+2^\text{(コ)}m+1\)
である。

\(625^2\)を\(5^5\)で割ったときの余りと\(2^5\)で割ったときの余りを求める。
\(625^2=(5^4)^2=5^8\) ••• ケ

m=39(イウ)とする。(1)の数値を使うことから、(1)の結果を使うことが予想できる。(1)では、以下の結果が得られている。
\(5^4-2^4\times39=1\) ••• ④
これを変形すると
\(5^4=625=2^4\times39+1\) 
ゆえに、
\(625^2=(2^4\times39)^2+2(2^4\times39)+1^2=2^8\times39^2+2^5\times39+1\) 
よって、
\(625^2=2^8m^2+2^5m+1\) ••• コ

ポイント

解く前に問題文を通して読むことで、前問がヒントになっていることに気づける。

 

【問題文】
(3)
\(5^5x-625^2\)は\(5^5\cdot2^5\)の倍数である。
このことから、②の整数解のうち、xが3桁の正の整数で最小になるのは
\(x=\text{(サシス)},\,y=\text{(セソタチツ)}\)
であることがわかる。

情報を整理する。
・\(5^5x\)は明らかに\(5^5\)の倍数である。
・式②\(5^5x=2^5y+1\)より、\(5^5x\)を\(2^5\)で割ったときの余りは1である。

(2)より、
・\(625^2\)は\(5^5\)の倍数である。
・ \(625^2=2^8m^2+2^5m+1\)より、\(625^2\)を\(2^5\)で割ったときの余りは1である。

よって、\(5^5x-625^2\)は\(5^5\)でも\(2^5\)でも割り切れる。

\(5^5\)と\(2^5\)は互いに素であるため、\(5^5x-625^2\)は\(5^5\cdot2^5\)の倍数である。
これを式で表すと、
\(5^5x-625^2=5^5\cdot2^5l\) (lは整数)
両辺を\(5^5\)で割ると、
\(x-5^3=2^5l\)
\(x=64l+125\)
よって、xが3桁の正の整数で最小になるのは\(l=0\)のとき、すなわち\(x=125\)のときである。 ••• サシス
また、このときのyは、式②より
\(5^5\times125-2^5y=1\)より
\(\displaystyle y=\frac{5^5\times125-1}{2^5}=\frac{390624}{32}=12207\) ••• セソタチツ

ポイント

文章を式で表してみる。

【問題文】
(4)
xが正の整数で最小になるのは
x=(テト),y=(ナニヌネノ)
である。


(1)〜(3)と同じ手順で考える。
(1)〜(3)の「5」を「11」に置き換えれば良い。
まず、(1)と同様に以下の式を考える。
\(11^4x-2^4y=1\) ••• ⑤
\(11^4\)を\(2^4\)で割ったときの余りは1に等しい。ゆえに、\(x=1\)は式⑤を満たす。
このときのyは、\(y=\displaystyle \frac{11^4-1}{2^4}=\frac{14641}{16}=915\)

次に、(2)と同様に\((11^4)^2\)を\(11^5\)と\(2^5\)で割ったときの余りについて考える。
\((11^4)^2=11^8\)であるから、これを\(11^5\)で割ったときの余りは0である。
また、 式⑤\(11^4x-2^4y=1\)において、\(x=1, y=915\)とすると、
\(11^4-2^4\times915=1\)すなわち\(11^4=2^4\times915+1\)
両辺を2乗すると、
\((11^4)^2=(2^4\times915+1)^2=2^8\times915^2+2^5\times915+1\)
ゆえに、\((11^4)^2\)を\(2^5\)で割ったときの余りは1である。

(3)と同様に \(11^5x-2^5y=1\) ••• ⑥を考える。
・\(11^5x\)は明らかに\(11^5\)の倍数である。
・\(11^5x=2^5y+1\)より、\(11^5x\)を\(2^5\)で割ったときの余りは1である。
また、
・\((11^4)^2\)は\(11^5\)の倍数である。
・ \((11^4)^2=2^8\times915^2+2^5\times915+1\)より、\((11^4)^2\)を\(2^5\)で割ったときの余りは1である。
よって、\(5^5x-625^2\)は\(5^5\)でも\(2^5\)でも割り切れる。
\(11^5\)と\(2^5\)は互いに素であるため、\(11^5x-(11^4)^2\)は\(11^5\cdot2^5\)の倍数である。
これを式で表すと、
\(11^5x-(11^4)^2=11^5\cdot2^5n\) (nは整数)
両辺を\(11^5\)で割ると、
\(x-11^3=2^5n\) すなわち \(x=1331+32n\)
このことから、式⑥の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは\(n=-41\)のときであり、\(x=19\)である。 ••• テト
また、このときのyは式⑥ \(11^5x-2^5y=1\) より
\(11^5\times19-2^5y=1\) 
ゆえに \(\displaystyle y=\frac{11^5\times19-1}{2^5}=\frac{3059968}{32}=95624\) •••ナニヌネノ

ポイント

解く前に問題文を通して読むことで、前問がヒントになっていることに気づける。

 

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